愛媛大学ミュージアムで「四国遍路と弘法大師信仰展」を開催しています【1月27日(月)まで】

2019.08.07 お知らせ

愛媛大学開学70周年記念 ミュージアム開館10周年記念 文系センター開設記念
四国遍路と弘法大師信仰

主催:愛媛大学四国遍路・世界の巡礼研究センター/愛媛県/「四国八十八箇所霊場と遍路道」世界遺産登録推進協議会

 愛媛大学開学70周年とミュージアム開館10周年にあたる本年は、センターと愛媛県、協議会が協力をして、弘法大師信仰をテーマにして四国遍路の歴史を紹介します。
 前期展(8月7日~12月23日)は、センター所蔵品を中心に、後期展(12月25日~1月27日)は、愛媛県歴史文化博物館の所蔵品を中心に、愛媛県内の霊場の文化財も交えながら展示します。これまでの研究成果の一部をわかりやすく公開することで、愛媛大学や愛媛県、協議会の活動について御理解をいただく機会となれば幸いです。(火曜日休館、10:00~16:30、入場無料)

展示1「研究最前線」
・遍路道の魅力発信と地域振興(井口梓)
・現代の歩き遍路(竹川郁雄)
・写し霊場と三大新四国霊場(山口由等)
・弘法大師空海と満濃池修築(寺内浩)

展示2「四国遍路と弘法大師信仰」
 空海は、讃岐国善通寺の地に生まれ、唐へ留学後、真言密教を初めて伝え、真言宗の開祖としてだけではなく、仏教界はもとより神道界にいたるまで、日本文化に大きな影響を与えます。没後は、弘法大師の尊号を贈られ、高野山奥院で永遠の瞑想を行っているという弘法大師信仰が広く国民に浸透しました。
 平安時代に、貴族を中心とした高野詣が盛んとなり、室町時代には、四国遍路と弘法大師を結びつける記録が石手寺に現われます。江戸時代初期までには、八十八ヶ所も確定し、四国遍路は、修行僧による修行の旅から、庶民による大師霊蹟巡礼へと変化していきました。
 弘法大師信仰の隆盛によって、江戸時代後期に大半の霊場で大師堂が建立されたのと同じくして、42歳の弘法大師が約1200年前に四国遍路を開創したという伝承が広まります。
四国遍路の歴史は、弘法大師信仰の歴史でもあるのです。(胡光)

<前期展主な展示資料>
・愛媛県指定有形文化財 弘法大師像(パネル)鎌倉時代/四国霊場第52番札所太山寺所蔵
・役行者前鬼後鬼図 室町時代
・隅寺心経 奈良時代
・弘法大師行状絵断簡 室町~江戸時代初期
・弘法大師絵伝 明治12年(1879)
・岩屋寺のこけら経 室町~江戸時代初期/岩屋寺所蔵
・今治市越智家俵札 江戸時代後期~明治時代
・四国徧礼道指南増補大成 江戸時代 文化12年(1815)
・四国霊験奇応記 江戸時代 文政8年(1825)