愛媛大学ミュージアムで「日本の巡礼と世界の巡礼」展を開催しています【1月11日(土)まで】
愛媛大学ミュージアムで、「日本の巡礼と世界の巡礼」展を開催しています。
開館情報は、愛媛大学ミュージアムホームページで確認ください。
【展示期間】
2024年8月5日~2025年1月11日(日曜日・年末年始休館。無料)
【展示内容】
1 研究最前線
(1)愛媛県宇和島市三間町における遍路移動の空間パターンー第四十二番札所仏木寺を事例としてー(須藤恵・兼子純)
(2)キリスト教(カトリック)の奉納物(田島篤史)
(3)ロンドンのポプラ―自治区と戦争記念碑(吉田正広)
(4)コロナ後のサンティアゴ巡礼―地の果てを訪ねる(胡光)
2 世界の巡礼
巡礼とは、聖地あるいは寺社を廻る宗教行為であって、世界的な広がりを持っている。世界宗教とされるキリスト教、イスラーム教、そして仏教をはじめ、様々な宗教においても巡礼という行為は存在する。
開祖や後継者の足跡を廻る聖地巡礼と信仰の対象になる本尊等を廻る本尊巡礼や、一つの聖地を目指す直線型巡礼と複数を廻る巡回型巡礼など多様な視点で類型化をすることもできる。
世界遺産化を目指す「四国遍路」にとって、その「普遍的価値」を明らかにするためにも世界の巡礼との比較研究は必要である。
3 日本の巡礼
平安時代には、貴族を中心とした高野詣や熊野詣が盛んとなり、三十三の観音霊場を廻る西国巡礼も成立し、四国においても八十八ヶ所は誕生していないが、宗教者による辺地修行という巡礼の原初形態が見られた。
日本における巡礼の最盛期は、庶民の参加を見た江戸時代であった。一生に一度は行きたいと唄われた伊勢参りをはじめ、善光寺、宮島、金毘羅などに人々が押し寄せ、四国霊場八十八ヶ所の札所も確定した。巡礼の大衆化は、信仰の旅から観光の旅へという変化をもたらした。
4 主な展示資料
ドイツ・スイス・オーストリア教会への奉納物、ポプラリズム1919-1925、スペイン・サンティアゴ巡礼道具、日吉山王曼荼羅図、吉野山図、高野山真景大全図、西国三十三箇所巡礼道中図、四国八十八箇所御本尊御姿集成、伊勢参宮・金毘羅・西国三十三所道中日記帳
*本展覧会は、四天王寺楽所雅亮会(大阪府)、浜松市楽器博物館(静岡県)、茂兵衛堂(山口県)、石手寺(松山市)の御協力を得ました。
*本展覧会は、胡光センター長が指導した人文社会科学研究科の授業で、荒谷浩之・山中康平・重松紗奈・岡崎心優・森貞雄仁・渡邉裕人・平井清貴が企画・解説にあたったものです。